
※画像はイメージです。
犬型ロボットの「aibo」と聞くと、愛らしい動きや鳴き声で家族を楽しませる、ペットのような存在を思い浮かべる人が多いでしょう。
そのaiboが今、家庭用エンタテインメントロボットの枠を超え、フィジカルAIの研究プラットフォームとして新しい役割を担おうとしています。
ソニーは2026年7月、東京大学とカリフォルニア大学バークレー校の研究室へ、研究開発用途向けのaibo試作機と開発ツールのベータ版を提供すると発表しました。
これは、現在販売されているaiboに新機能が直ちに追加されるという発表ではありません。しかし、人と暮らすロボットが将来どのように進化するのかを考えるうえで、注目すべき動きです。

※画像はイメージです。実際のaiboとは外観や仕様が異なる場合があります。
aiboを使って何を研究するのか
ソニーが連携するのは、次の2つの研究室です。
- 東京大学大学院 情報理工学系研究科・岡田慧教授の研究室
- カリフォルニア大学バークレー校・Kanazawa Angjoo助教授の研究室
東京大学の研究室では、人とロボットの交流、共同作業、思い出の共有などを通じて、「人と暮らすロボット」の在り方を研究してきました。
一方、UCバークレーでは、aiboを使った社会性や触覚に関するロボット学習の可能性が検討されます。
ソニーは研究機関からの意見を取り入れ、将来のaibo開発だけでなく、ロボットを社会で実際に活用するための取り組みにもつなげる考えです。
フィジカルAIとは何か
フィジカルAIとは、文章や画像を作るだけでなく、カメラやセンサーを使って現実世界を認識し、ロボットの身体を動かして行動するAIを指します。
一般的な生成AIが画面の中で回答する存在だとすれば、フィジカルAIは、現実の空間で人や物の状態を判断しながら動くAIです。
aiboにはカメラや各種センサーが搭載され、周囲を認識しながら自律的に行動します。さらに、人が触れたり話しかけたりしたときの反応も、aiboらしさを形づくる重要な要素です。
人間と同じ生活空間で安全に動き、触れ合いを重ねられるaiboは、人と共生するフィジカルAIを研究するための興味深い土台といえるでしょう。
フィジカルAIと生成AIの違いを詳しく知りたい方は、「フィジカルAIの基礎を解説した記事」も参考にしてください。
将来のaiboはどう変わる可能性がある?
今回の研究から、将来的には次のような進化が期待できます。
人との関係をより深く理解する
声や動作だけでなく、触れ方や過去の交流まで組み合わせて反応できれば、同じ言葉でも状況に応じて異なる振る舞いを見せるようになるかもしれません。

※画像はイメージです。実際のaiboとは外観や仕様が異なる場合があります。
家庭以外での活用が広がる
ソニーはこれまで、医療機関や教育現場でもaiboを活用してきました。
研究が進めば、高齢者施設、病院、学校などで、人の緊張を和らげたり、コミュニケーションを促したりする役割がさらに検討される可能性があります。
開発者が新しい体験を作れる
研究開発用の試作機と開発ツールが活用されれば、ソニーだけでなく、大学や研究者、クリエイターから新しいアイデアが生まれる可能性もあります。
ただし、これらは今回の発表内容から考えられる将来像です。具体的な新機能や市販時期は発表されていません。
現在のaiboがすぐ進化するわけではない
ここは誤解しないように注意が必要です。
今回提供されるのは研究開発用途向けの試作機であり、一般販売されているaiboとは目的が異なります。研究成果がいつ市販製品へ反映されるのか、そもそも反映されるのかも現時点では分かりません。
「大学と共同研究するから、手持ちのaiboがすぐ会話上手になる」と期待するのは早計です。
一方、現行のaiboもソフトウェア更新が続いており、2026年3月にはERS-1000向けのシステムソフトウェア・バージョン8.00が公開されています。

※画像はイメージです。実際のaiboとは外観や仕様が異なる場合があります。
aiboと暮らすための費用
2026年9月にソニー公式サイトで確認した標準モデルの本体価格は、27万2,800円(税込)です。
さらに、aiboと暮らすには「aiboベーシックプラン」への加入が必要です。
- 3年一括払い:9万9,000円(税込)
- 36回払い:月額3,278円(税込)、総額11万8,008円
- ケアサポート3年:5万9,400円(税込・任意)
- プレミアムプラン:年額1万6,500円または月額1,628円(税込・任意)
ベーシックプランを一括で選んだ場合、最低でも本体と合わせて37万1,800円になります。
aiboは本体を購入して終わりではありません。クラウドサービスや継続費用を含め、長く一緒に暮らせるかを考えて選ぶ必要があります。
まとめ
今回の大学との連携は、aiboが単なる「動くロボット犬」から、人間との関係や触れ合いを学ぶフィジカルAIの研究基盤へ広がる動きです。
ただし、現段階では研究開発用の試作機に関する発表であり、一般向けの新型aiboや新機能が発表されたわけではありません。
期待だけを先行させず、研究段階と市販製品を分けて見ることが大切です。
それでも、人と暮らすことを前提に長年育てられてきたaiboが、フィジカルAI時代にどのような役割を持つのか。今後の研究成果が楽しみです。
よくある質問
研究開発用aiboは一般購入できますか?
現時点で一般販売の案内はありません。大学などの研究機関へ提供される試作機です。
現在のaiboにも研究成果が追加されますか?
将来の製品開発につなげる方針は示されていますが、具体的な機能や提供時期は発表されていません。
aibo本体だけを購入すれば使えますか?
aiboとの生活には、クラウドサービスとモバイル通信を含むaiboベーシックプランへの加入が必要です。